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​アトピー性皮膚炎

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アトピー性皮膚炎とは、「寛解・増悪を繰り返す掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と、日本皮膚科学会が作成したアトピー性皮膚炎ガイドライン2016に記載されています。

簡単に言うと、痒みがある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気で、アレルギー体質がある人に起きやすいと言うことです。

乳幼児では2カ月以上、それ以上の方では6カ月以上症状が持続すると確定診断となります。

ただし、乳幼児では2カ月も経過を見て過ごすわけにはいかないので、典型的に皮膚の所見があればアトピー性皮膚炎に準じて治療を行います。

治療の3本柱は、①薬物療法、②スキンケア、③悪化要因の対策となります。

①の薬物療法に関しては、ステロイドの外用薬と抗ヒスタミン薬の内服になります。

■ステロイドの外用薬について

皮膚に炎症があると、炎症がある部位は赤く盛り上がっています。

​その炎症がある部分をステロイドの外用薬によって炎症を抑えるためには、十分な量を塗る必要があります。

 

 

 

 

 

そのおおまかな目安がFTU (Finger Tip Unit)という量になります。

​大人の第一関節に乗る量で、大人の手のひら2つ分の量と言う意味です。

 

 

 

 

塗る量.png
塗る量2.png
FTU.png

また、ステロイドの外用薬は塗る部位によって使い分けます。

なぜなら体の部位によってステロイドの吸収率が変わってくるからです。

 

 

 

 

ステロイドの外用薬は強さによって5段階に分かれています。

​Ⅴ群が弱く、Ⅰ群が最も強いステロイド外用薬となります。

小児では、顔や首、外陰部といったステロイドの吸収率が比較的高い部位にはⅣ群のステロイド外用薬を、手足や胸、お腹、背中といったステロイドの吸収率が比較的低い部位にはⅢ群のステロイド外用薬を使用します。

成人では、それぞれもう一段階強いステロイド外用薬を使います。

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薬一覧.png

​成人の四肢や体幹

成人の顔や首、外陰部

小児の四肢や体幹

​小児の顔や首、外陰部

​*免疫抑制薬であるタクロリムス軟膏(プロトピック)はⅣ群くらいの強さに相当します

以前は肌の状態が改善したらステロイドを中止して、悪化したら再び外用を開始するという治療を行っていましたが、最近は肌の状態が改善しても急にはステロイドの外用を中止せずに時間をかけて徐々に減らしていくという、Proacvive療法が主体になっています。

1日2回塗っていたら、1日1回に減量して数週間から数カ月経過をみて問題がなければ、2日に1回に減量、それでも問題なければ週に2日・・という感じで徐々に減らしていきます。

​そうすることで良い状態の肌を保つことが可能になりますし、長期的な視点で見るとステロイド外用薬の塗布量が少なくなるということが分かっています。

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​■抗ヒスタミン薬の内服について (別ページで解説します)

​■免疫抑制薬のタクロリムス(プロトピック)について (別ページで解説します)

​■その他の薬物療法について (別ページで解説します)

​■ステロイド外用薬の副作用と脱ステロイドの誤解について (別ページで解説します)

​■スキンケアについて 

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